3分で分かる『ロジカル・シンキング』の要約
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今回紹介するのはこの本です
『ロジカル・シンキング』
一言要約
人にわかりやすく伝えるための、論理的思考と構成のスキルを紹介しています。
本の紹介
コンサルティング会社であるマッキンゼーのエディターとして活動している著者・照屋華子が、「ロジカル・コミュニケーション」の新しい手法について述べた本です。論理構成をはじめ、ビジネス・ライティング、口頭説明についての多数のトレーニングを顧客企業やコンサルタントを対象に実施しています。
この本から分かること
「ロジカルシンキングってよく聞くけど何?」「わかりやすく伝えるのが苦手…」
こんな悩みを持っている人も多いのではないでしょうか。本書では、人にわかりやすく伝えるための「構成の仕方」を紹介しています。これを学べばプレゼンやレポート、企画書も説得力が増すこと間違いなしです。
これから社会人になる学生の方、ロジカルシンキングを復習したい社会人の方必見です!
3つのポイント
本書の要点は3つです
①横の関係を整理する『MECE』
②縦の関係を整理する『Why So? / So what?』
③論理構成を作る『手順』
ロジカルと聞くと難しそうだと思う方もいるかも知れませんが、具体例を交えてわかりやすく説明していきます。これが身につけば、言いたいことをわかりやすく伝えられるようになりますよ!
①横の関係を整理する『MECE』
論理的に伝えるには、結論と根拠がしっかりと結びついていることが必要です。まず紹介する「MECE」では、わかりやすく伝えるための根拠の出し方をまとめます。
- MECEとは
MECEとは「相互に重なりがなく、全体で漏れがないように」という意味です。根拠をあげるときは、漏れも重なりもしないようにしたほうがいいということです。これはどういうことか、例を出して説明します。
例・目の前に「りんごのようなもの」があります。あなたはそれがりんごか確かめるために「見た目」「匂い」「味」の3つを確認しました。全ての確認の結果、それはりんごだとわかりました。
この場合、結論は「これはりんごである」ですよね。そして根拠は「見た目」「匂い」「味」の3つです。このときに「見た目と匂い」「匂いと味」のような根拠の出し方をしたら、それは根拠が重なってしまっています。また根拠を1つや2つしか挙げなかったら、根拠に漏れが出てしまっています。こうなってしまっては、せっかくの根拠も説得力に欠けますよね。
説得力を最大限に高めるには、漏れも重なりもなく根拠を挙げることが大切なのです。また、このような同じ次元の並列を「横の関係」と呼びます
- MECEの具体例
ビジネスマンにおいて、よく使われるMECEが3種類あるので紹介します。
1,3C Costomer(顧客)Competiter(競合)Company(自社)
2,4P Pruduct(製品)Price(価格)Promotion(訴求方法)Place(販売チャネル
3,バリューチェーン 仕入先→自社→顧客
これらは何かの企画を考えるときに特に重要な、並列の要素です。就活中の学生や、バイトの企画運営でも覚えておくといいです。
②縦の関係を整理する『Why So? / So what?』
次は、縦の関係の整理に使う考え方を紹介します。縦の関係とは根拠と結論のような、大きさの異なる要素動詞の関係です。先程並べた根拠の上にしっかりと乗る結論を出すことで、論理性が増します。それでは、縦の関係を整理する考え方Why so?とSo what?を具体例で見ていきましょう。
- Why So?とは
直訳すると「なんでそう言えるの?」です。例えば「これはりんごだ」という結論があったとしたら、「Why So?」と聞くことで、「なぜならこういう理由があるからだ。」と根拠を説明させることができます。言い換えると、結論から根拠を引き出す働きがあります。
- So what?とは
直訳すると「だから何?」です。例えば「色が赤い」「匂いも見た目もフルーツっぽい」というデータがある時、「So what?」と聞くことで「つまりこれはりんごだ」と結論を説明させることができます。言い換えると、根拠から結論を引き出す働きがあります。
Why so?とSo what?は互いに反対の働きを持っています。文を作りながらこれを自分に問いかけることで、理由→結論の流れが整理され、論理性のある構造を作ることができます。
このように、縦はWhy so?とSo what?、横はMECEの関係で整理することが大切です。これを視覚化したのが下の図です。
③論理構成とその『手順』
縦と横の整理の仕方についてはバッチリですよね。最後に、結論→根拠を並べる論理構成のパターンと、その手順を説明します。論理構成については、大きく2パターンです。
- 並列型
これは、根拠部に選択肢と考察をまとめたものです。具体例として、「夕ごはんに何を食べるか?」というテーマがあったとします。思いついたのは「パスタ」「ラーメン」「牛丼」の3つです。並列型の構成においては、「パスタは嫌い」「ラーメンは気分じゃない」「肉食べたいから牛丼いいかも」、つまり結論は牛丼を食べよう。と言ったふうに、各選択肢をそれぞれ順番に比較考察して、結論を出すといった構成になっています。シンプルに説得ができるのが並列型のメリットです。
- 解説型
これは、根拠部に「事実」「判断基準」「判断内容」がそれぞれ入ります。具体例では「夕ごはんに何を食べるか」というテーマに対し、「思いついたのはパスタとラーメンと牛丼だ」「お金があまりないから安いものにしよう」「一番安いのは牛丼だから牛丼」といった構成になります。共通認識を作った上で妥当性を強調できるので、説得力があります。
最後に、文章を作る上で、この2パターンの論理構成と先ほど紹介したWhy so? / So what? / MECEをどう使えばいいのか紹介します。
- 手順
1,並列型か解説型のどちらで文を作るか決める
2,根拠をMECEでわけ、その根拠もMECEで分ける
3,一番下から一番上に向かってWhy so? / So what? で検証する
これだけです、シンプルですね。後は抜け漏れがないか、何度も2,3番を繰り返せば、説得力ある文章になりますよ。
まとめ
・横の関係はMECE(もれなく重なりなく)
・縦の関係はWhy So?(なんでそうなるの?) / So what?(だから何が言えるの?)
・文章構成は並列型か解説型か選ぶだけ。
感想
ロジカル・シンキングの考え方は、学校のレポートやプレゼン、資料作成のときなど様々な場面に応用できます。周りと差をつけたい方、もっとよく知りたい方は是非本も買ってみてください。
本日の書籍情報
【書籍名】ロジカル・シンキング
【著者名】照屋華子
【出版社】東洋経済新報社
【出版日】2001/4/1
【頁 数】227ページ
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